EUと日本、 ホライズン・ヨーロッパへの準参加に関する正式交渉を開始
<日本語仮訳>
本日、欧州連合(EU)研究・イノベーション枠組み計画「ホライズン・ヨーロッパ」への日本の準参加に関する正式交渉が開始されたことで、EUと日本は、両者の協力関係における一つの節目を迎えた。
交渉が成功すれば、EUが提供できる研究・イノベーション分野における最も緊密な協力形態である同計画に、日本が初めて参加することになる。「ホライズン・ヨーロッパ」に関して、EUは、高い科学技術・イノベーション力を有する同志国である非EU諸国に対して、このような参加の機会を拡大し、すでに準参加に関する交渉を完了したカナダやニュージーランド、韓国など必ずしもEUに地理的に近くない国々もその対象となる。
イリアナ・イヴァノヴァ・イノベーション・研究・文化・教育・青少年担当欧州委員は、「日本の『ホライズン・ヨーロッパ』への準参加に関する交渉の開始は、われわれの協力関係の段階が変わったことを示している。EUと日本の双方にとって、研究とイノベーションは、競争力を確保し、グリーンとデジタルの移行を実現する鍵となる。協力することで、われわれは、その移行をより速く実現し、世界の最も喫緊の課題に対する解決策を見出すことができる」と述べた。
今回の交渉は、多国間の共同研究プロジェクトを通じて社会的課題に取り組む「ホライズン・ヨーロッパ」の第2の柱への準参加に関するものである。交渉が成功すれば、日本の研究者は同計画の下で自らの研究・イノベーションプロジェクトを主導・調整し、EU域内や他の準参加国のパートナーとより深い連携を模索し、資金提供を受けることができるようになる。欧州委員会と日本政府との交渉は、今後数ヶ月の間に進められる。
「ホライズン・ヨーロッパ」への準参加は、ますます変化し不安定化する世界における研究・イノベーション協力に関する欧州のグローバルアプローチの重要な手段である。これは、卓越性を推進し、科学の進歩を早めるために資源を集約し、活気あるイノベーション・エコシステムを構築し、戦略的かつ相互的に国際的な開放性を促進するというEUのコミットメントを再確認するものである。
7月にカナダが準参加したことで、「ホライズン・ヨーロッパ」の準参加国は19カ国となり、これまでの全てのEU研究・イノベーション枠組み計画を上回った。また、韓国の準参加に関する協定が数カ月以内に締結され、2025年から参加できるようになる他、エジプトやスイスとの交渉も現在進められている。
背景
日本は欧州にとって重要な戦略的パートナーであり、日・EU間の研究・イノベーション関係は過去20年間に着実に発展してきた。2011年には「日・EU科学技術協力協定」が発効した。さらに、2015年の「共同ビジョン」や2020年5月の「科学技術・イノベーション協力の強化に関する合意文書(Letter of Intent)」の締結により、両者は、地球規模の課題に関する連携の促進を目指して、この枠組みを深化させてきた。
予算が7年間(2021-27年)で935億ユーロ(約15兆円)に上る「ホライズン・ヨーロッパ」の活動は世界に開かれており、世界中の研究者や組織が大半の公募に参加できるが、準参加国の研究者はさらに多くの共同研究の機会が提供され、資金助成に関してもEUの研究者と同等に扱われる。
原文はこちらをご覧ください(英語)。
EUについてさらに知りたい場合は、日本語のオンラインマガジン『EU MAG』をご覧下さい。