国際反ホモフォビア・バイフォビア・トランスフォビアの日に寄せる、EUの声明
<日本語仮訳>
ジョセップ・ボレル欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は、5月17日の国際反ホモフォビア・バイフォビア・トランスフォビアの日に寄せて、EUを代表して以下の声明を発表した。
「ホモフォビア、バイフォビアおよびトランスフォビアは、EUや世界のいかなる場所にも存在の余地はない。誰も取り残さないようにするためには、われわれは、不平等や複数の重複する形態の差別との闘いに注力しなければならない。平等、自由および正義は、実際の、もしくは認識された性的指向や性自認に関係なく、全ての人に適用されるべきである。
世界中のレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーおよびインターセックス(LGBTI)の人々は、今も暴力、差別および非難の対象にされ続けている。あまりにも多くの場所で、LGBTIの人々は、自分らしくあることや愛する人のために排除され攻撃されている。EUは、同意に基づく同性愛行為を犯罪とする法律を強く非難する。そのような法制は、国際人権法や地域の法的文書だけでなく、場合によっては各国の憲法にも違反している。
『国際反ホモフォビア・バイフォビア・トランスフォビアの日』に、そして毎日、われわれは、各国政府に対し、差別的な法律を撤廃し、憎悪犯罪およびヘイトスピーチの対策と撲滅に向けて措置を講じ、LGBTIの人々に対するあらゆる形態の暴力を防止し、彼らが意思決定や政治過程に参加することを今も妨げている構造的・制度的な障害や偏見に取り組むことを求める。
懸念される後退や世界的な反発にも関わらず、昨年さらに2カ国が同意に基づく同性愛行為を非犯罪化したこと、そして他の複数の国で、法の透明性や安全、平等な処遇の確保に資する、LGBTIの人々の人権に関する司法制度の改善が見られたことを歓迎する。
EUは、包摂的な法律や政策に関して関係パートナーと共に取り組み続ける。われわれは、市民社会やLGBTIの人々の人権擁護者を歓迎し、支援し、また彼らと緊密に連携している。LGBTIの人々は、あまりにも頻繁に威嚇や嫌がらせ、脅迫に遭い続けている。
包摂的な政策は変化をもたらす。われわれは、平等が普及し、誰もが自分の可能性を最大限に発揮し、自由で平等に生きられる社会を、単に想像するのではなく、実際に築くための取り組みを続けていく」
原文はこちらをご覧ください(英語)。
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