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第29回ASEAN地域フォーラム閣僚会合におけるボレルEU上級代表の発言

05.08.2022
カンボジア・プノンペン
EEAS Press Team

EU News 165/2022

<日本語仮抄訳>

第29回東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム閣僚会合における、ジョセップ・ボレル欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長の発言は以下の通りである。

「EUとASEANの結びつきは、われわれ2つの地域組織が強い願望を共有しているため、非常に貴重なものである。EUとASEANはいずれも、経済を統合し、安定を確保することで紛争を防止するために創設された。

各々の地域の平和と安定を脅かす以下4つの重要な課題について、EUの見解を述べたい。

まず第一に、ロシアのウクライナ侵攻である。この不当かついわれのない軍事侵攻は、ルールに基づく国際秩序と国際法に対する今日最大の挑戦である。より小さな隣国を軍事的に侵攻し、その土地と資源を奪い、民間人を標的にして殺害することは、国連憲章と国際人道法の重大な違反である。この戦争は、141もの国連加盟国から非難されている。

<中略>

第二に、南シナ海である。われわれは、軍事化と不安定化をもたらす行動の増加を確認している。これは航行および上空飛行の自由を脅かし、国際平和と安全保障に影響を及ぼす可能性がある。

この地域における国際法と海洋安全保障は、他の海洋地域と同様に、損なわれてはならない。

紛争は平和的手段で解決され、国連海洋法条約(UNCLOS)を順守するものでなければならない。武力の使用や威嚇行為、挑発的な行動は排除されるべきである。

<中略>

EUは、台湾海峡の平和と現状の維持に明確な関心を持っていることを付け加えたい。

われわれは、台湾上空を通過し、うち数発が日本の排他的経済水域(EEZ)に落下した弾道ミサイルを発射した中国の行動に強い懸念を抱いている。

これらは、不安定化とリスクの拡大につながる、非常に憂慮すべき動きである。 

この地域で力による一方的な現状変更はあってはならず、中国と台湾の間の相違については平和的手段によって解決しなければならない。

だからこそ、EUはすべての当事者に対し、悲劇的な結果につながりかねない誤算を防ぐために、冷静さを保ち、自制し、透明性を持って行動し、常に連絡を取り合える状態を維持するよう求める。

第三に、ミャンマーである。民主化運動家4人の死刑執行は、同国の軍事政権がミャンマー国民の生命と権利、そして彼らの自由への希求を無視するという衝撃的なシグナルを世界に発信した。

われわれは、ASEANの「5つのコンセンサス」の実行に進展がないことを懸念しており、平和的かつ包摂的な政治的解決に向けたASEANの新たな努力を支援する用意がある。

<中略>

第四に、北朝鮮が弾道ミサイルの発射を繰り返していることは、関連する国連安全保障理事会決議に違反するものである。これは地域と国際の平和と安全保障を損なうものでもある。

北朝鮮は不安定化をもたらす自身の行動を止め、主要なパートナーとの対話を再開すべきである。同国は国連安保理決議を順守すべきであり、また、違法な兵器開発を支援しうる資金、部品および知識の流れを阻止するため、国連の委任に基づく行動を確実に取らなければならない」
 

Nabila Massrali
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