北極圏の未来を確かなものにするため、懸け橋を築く
<日本語仮抄訳>
北極圏をめぐる状況はここ数年で劇的に変化し、昨年はいくつかの北極地域では最高気温摂氏38度を記録した。氷は解け、永久凍土も異常な速さで解けつつある。高温は野火の原因となり、永久凍土の溶解はインフラの崩壊をもたらし、これが恐らく昨夏のシベリアでの原油流出の原因であろう。しかしながら、海氷の融解は新たな海路の可能性をも生み出し、埋蔵された原油やガスへのアクセスの可能性を高めた。これが今度は北極圏に対する地政学上の関心を高めた。
今年の北極フロンティア会合の表題は「懸け橋を築こう」で、平和の地域、また緊張の高まりや世界中に漂う不確実性の時代における協力の国際的事例としての北極圏を守ることで得られる強さを認識したものだ。2021年の北極フロンティア会合には、北極圏が直面する最も喫緊の問題を協議するため、政策決定者、先住民指導者および企業・若者の代表たちが結集。ジョセップ・ボレル欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表は、「未来を築く」と題された会合2日目に参加した。ヴィルギニユス・シンケヴィチュウス環境・海洋・漁業担当欧州委員は4日目に、循環経済に関するパネルに参加する。
EUは、北極圏が引き続き安定した、安全で平和な繁栄する地域であり続けるよう、国際的パートナーと連携していく決意である。
ボレル上級代表は、「安全で安定した、持続可能で平和で繁栄している北極圏は、同地域自身のみならず、EUにとって、また実際には世界全体にとって重要であると考える」と述べた。「EUの一部は北極圏に含まれており、同地域に関する問題については戦略的および日常的な利益を有している」
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