2020年施政方針演説:不安定な世界の中で活力あるEUを築く
<日本語仮抄訳>
欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は本日、欧州議会にて自身の初めての施政方針演説を行い、欧州連合(EU)が新型コロナウイルス感染症危機が明らかにした脆弱性を克服し、活力ある連合を構築するための道筋を提示した。
2020年の施政方針演説をめぐる討議は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが依然として欧州と世界の経済・社会の全ての面に影響を及ぼしている、不透明な時期に行われた。このパンデミックは、国際的システムの脆弱性と、共通の課題に対する協力の重要性を同時に示した。「これは地球規模の危機であったので、われわれは地球規模の教訓を得なければならない」。
フォン・デア・ライエン委員長は、欧州が「次世代EU」を通じて変革を計画的に起こす、一生に一度の機会を与えられ、欧州はこれを成し遂げる「ビジョンと計画と投資を有している」ことを強調した。欧州が環境を重視し、デジタル分野を発展させ、より強靭になるために、欧州委員会は以下に焦点を当てる。
- 欧州における生命と生活、市民の健康および経済の安定を守る
- 欧州グリーンディールの構成要素を強化し、野心を高める――フォン・デア・ライエン委員長は演説で、欧州委員会が温室効果ガス排出の削減率を55%に引き上げることを提案すると発表
- 特にデータ、技術およびインフラにおけるデジタル改革を先導する
- 欧州単一市場を最大限に活用する
- 世界が容易に入手でき、安価で安全な新型コロナウイルスのワクチンを待望する中、国際的な対応を引き続き促す
- 人の国際移動に新しいアプローチを取り入れ、法の支配について警戒を緩めず、人種差別や他の差別の存在の余地のない連合を構築する
- 国際的出来事により明確に反応し、EUの最近隣諸国と国際的パートナーとの関係を深める
『EU MAG』の関連記事「次世代EU」に関する記事はこちら 2020年5・6月号 質問コーナー
EUについてさらに知りたい場合は日本語のオンラインマガジン『EU MAG』をご覧下さい。