2019年版「世界の人権と民主主義に関するEU報告書」採択
<日本語仮抄訳>
あらゆる人権の尊重は、自由で安定した、繁栄する社会の柱であり、欧州連合(EU)は、全ての基本権の世界中での促進と保護の先頭に立っていることを誇りに思う。
EU理事会が本日採択した2019年版「世界の人権と民主主義に関するEU報告書」は、EU域内および世界各地において各種の自由、民主主義、法の支配、公正な経済および女性の自立を支援するEUの指導的役割を明確に示している。しかし、多くの課題は依然残っており、新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、既に脆弱な状況をさらに悪化させる恐れがある。
ジョセップ・ボレルEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は、EUを代表して発した、新型コロナウイルス感染症の時代における人権に関する声明の中で、「今般のパンデミックとその社会経済的影響は、女性、子ども、高齢者および難民・移民・避難民を含む、弱い立場にある全ての人々の権利に対し不釣り合いな影響を与え、以前から存在する不平等を深めている」と述べた。そのようなことはあってはならず、人権は今般のパンデミックとの集団的闘いと世界的復興に向けた取り組みの中心になければならない。
本日公表された報告書は、現行の人権と民主主義に関するEU行動計画(2015年~2019年)の最終段階であり、2020年~2024年の新たな行動計画は間もなく採択される。同報告書は、コロンビア、シリア、ミャンマー、スーダンなどの地域社会に役立つ、焦点を当てたいくつかの行動を含む、縮小する市民社会の空間、ディスインフォメーションを広める活動、人権活動家・ジャーナリストをはじめとするメディア関係者への脅迫や妨害など世界各地における人権と民主主義に対する課題に対処するためにEUが2019年に取った行動の直接的見識を提供している。
2019年にEUは、新たな一連の行動を含め、あらゆる方面での動きを強化した。例えば、経済・社会・文化的権利に焦点を当てた、初のEU指針となる「安全な飲料水と公衆衛生に関するEU人権指針」が採択された。重要な時期において、この指針は、市民的、政治的、経済的、社会的および文化的権利の不可分性の促進において新しい展望を開いた。
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