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新型コロナウイルス感染症に立ち向かうアジアと欧州:最も弱い者の保護が不可欠

07.09.2020

EU News 236/2020

 

<日本語仮訳>

「新型コロナウイルスには、大陸や国境、国籍、民族の区別がない」。アジアと欧州各国・機関の外務大臣は、双方の大陸に影響を及ぼしている新型コロナウイルス感染症に関する初めての閣僚声明において、パンデミック(感染症の世界的大流行)の越境性と両大陸の国家間の相互連結性を強調する。女性や子どもに対する暴力への取り組みをはじめ、弱い立場に置かれた人々は守らなければならない。また、パンデミックにより、一部の人への非難が高まり、既存の格差が悪化することを許してはならない。

世界が前例のない地球規模の保健・健康上の危機に直面し、世界経済に大きな混乱が生じている現在、アジアと欧州が一堂に会する主要な政治の場である第13回アジア欧州会合(ASEM)首脳会合の開催国と地域調整国・機関は、新型コロナウイルスのパンデミックへの取り組みには、協調の取れた国際協力、地球規模の連帯および正確な情報の透明性のあるタイムリーな共有が必要であることを認識する。また、フェイクニュースや操作された誤情報を拡散する行為を非難する。そして、新型コロナウイルス感染症に対する免疫が広範囲に備わることは、「保健・健康上の世界的な公益」である。

73回世界保健機関(WHO)年次総会において新型コロナウイルス感染症に関する決議が完全な形で採択されたことを歓迎し、アジアと欧州各国の外務大臣は、新型コロナウイルスへの保健・健康上の対応を調整する上でのWHOの重要性を支持する。また、パンデミックに対する政府の対応は、「人命の救助ならびに市民の安全、幸福および生活の保障に重点を置きつつ、人権を保護するものであらねばならず、人権を軽視するものであってはならない」。誰一人取り残してはならない。

パンデミックへの取り組みには、ワクチン、診断法および治療薬の開発と提供を加速するための多国間協力を強化するとともに、ASEMパートナー国、民間部門および市民社会などその他の関係者の間で開かれた科学的な研究、イノベーションおよび技術協力を促進することが必要である。

「新型コロナウイルス・グローバル対応」により集められた159億ユーロおよび「グローバル・ワクチン・サミット」の成果である88億ドルに対してASEMパートナー諸国が資金の拠出を誓約したことを歓迎する。さらに、新型コロナウイルス感染症への取り組みにおいて世界中のパートナー諸国の支援を目的とする欧州連合(EU)の「チーム・ヨーロッパ」包括支援策は、約360億ユーロに達している。

パンデミック後の段階を見越して、アジアと欧州各国・機関の外務大臣は、成長、投資および持続可能な連結性を回復することにより、持続可能な社会・経済の復興を加速し、経済発展および金融の回復力を喚起し、世界経済の景気後退の可能性を最小化するため、共に取り組むことを約束する。また、公衆衛生および安全への配慮を維持しつつ、国際貿易の混乱を最小限に留めることが必要である。

持続可能で包摂的なコロナ後の回復には、次回の国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)に先駆けて、「気候変動に関するパリ条約」および「持続可能な開発のための2030年アジェンダ」に基づく地球規模の行動を強化することが含まれる。

本声明は、欧州およびアジアの51のASEMパートナー諸国・機関と協議の上、第13回ASEM首脳会合の開催国であるカンボジア、欧州グループの地域調整国・機関であるEUとドイツ、ASEANグループの地域調整国であるシンガポール、および、北東・南アジアグループの地域調整国であるロシアの外務大臣により発表された。

13回アジア欧州会合(ASEM)の開催国および地域調整国による閣僚声明(英語)

 

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