各国指導者、生物多様性保護に向けた「ワン・プラネット・サミット」で自然と健康を守る行動を約束
<日本語仮抄訳>
生物多様性に関する「ワン・プラネット・サミット」が2021年1月11日、フランスのエマニュエル・マクロン大統領の主導の下、パリで開催された。多くの政治指導者と企業最高経営責任者が集結し、自然破壊を逆転させることを誓った。
ほとんどがオンライン形式で開催された「ワン・プラネット・サミット」はフランスが主催し、欧州連合(EU)、国連および世界銀行が後援した。
ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長は、EUが域内外で進めようとしている、生物多様性に関する野心的な取り組みを概説し、欧州グリーンディールと新しいEU生物多様性戦略を強調した。疾病防止のための生物多様性に関する研究への資金提供やアフリカの「緑の長城」計画への支援の重要性を力説した。アントニオ・グテーレス国連事務総長、シャルル・ミシェル欧州理事会議長、アンゲラ・メルケル・ドイツ首相、ボリス・ジョンソン英国首相、クリスティーヌ・ラガルド欧州中央銀行総裁およびジャスティン・トルドー・カナダ首相など、多くの他の指導者も支持を表明した。
今般のサミットは、自然破壊は将来のパンデミックのリスクを高め、生物多様性の保護と気候変動との戦いは表裏一体であることを浮き彫りにした。本サミットでは「自然と人々のための高い野心連合」が発足した。今回の会合の主な成果には、地球全体の陸と海の30%以上の保護、アフリカの「緑の長城(Great Green Wall)」の実現に向けた140億ドルの提供表明、フランスと英国の海外公的支援の30%を自然に基づく解決に向けるとの公約、および人獣共通感染症によって引き起こされる次のパンデミックを防ぐための国際的な研究者ネットワークであるPREZODEイニシアティブの発足などが挙げられる。
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