日本で第2回「模擬EU」開催、今年は関西で
駐日欧州連合(EU)代表部は10月26日、日本で2回目となる模擬欧州連合(MEU)のイベントを開催する。昨年東京大学で開催されたのに続き、今年は奈良女子大学で開催される。EUの主要な教育事業の一つであるMEUは、大学生にEUの制度運営について実践的に理解してもらうことを目的として、世界中の多くの国で開催されている。
奈良でのイベントには、関西地方、東京、秋田の大学生47名が参加し、EU加盟27カ国と欧州委員会の代表者になりきり、気候変動をテーマにEUの政策決定プロセスを体験する。参加者は、2030年以降の貨物輸送の脱炭素化戦略について、各国の立場を考慮しながら合意を目指す。主な目標は、時には相反する複数の国家の視点や優先事項を前にして、気候変動に関する決定を下すことの複雑さを理解してもらうことである。
自らも若い頃に模擬EUのイベントに参加したジャン=エリック・パケ駐日EU大使は、「気候危機は世界の問題であると同時に世代にまたがる問題でもある。現在の若者たちが受け継ぐ世界に多大な影響を与える問題なのだ」と指摘。「国や文化を越えて解決策を話し合う能力を若い人たちに身につけてもらうことは、極めて重要だ」と話す。
学生のアドバイザーを務める奈良女子大学の橋田力教授(国際交流担当)は、「EUレベルでの政策決定の複雑さを学生たちが短期間で理解したことに感銘を受けた。学生たちは今、多様な視点からの慎重な検討を必要とする、グローバルな課題に取り組んでいる」と説明した。
学生たちは、夏の間にこのイベントに向けた準備を始め、多くの時間を費やして気候変動に関するEU加盟国の立場について学んだ。9月のネットワーキングイベントでは、パケ大使やEU加盟国の大使館代表者と会う機会があり、EUの運営上のダイナミズムについて理解を深めることができた。
EUは、欧州グリーンディールと法的拘束力のある欧州気候法を通じて、2050年までに世界初の気候中立な大陸となることを目指している。この欧州気候法では、1990年比で2030年までに温室効果ガス排出量を少なくとも55%削減するという中間目標が設定されている。
◇模擬欧州連合(MEU) 2024について
- 日時:10月26日(土)10:30~17:30
- 会場:奈良女子大学 講義室N101
(奈良女子大学 本部棟「奈良カレッジズ交流テラス」からも視聴可能)
- 使用言語:日本語・英語(同時通訳あり)
- 主催:駐日欧州連合代表部
- 観覧の参加費:無料
- ライブ配信あり
◇観覧方法
奈良女子大学でのMEU 2024観覧には、下記URLから登録ください。
ライブ配信はこちらからご覧いただけます。
(特命全権大使:ジャン=エリック・パケ、東京都港区)
1974年に設置された、日本においてEUを代表する外交機関。EU27加盟国の連携を図り、欧州の多様な歴史や文化を日本に紹介し、外交や貿易・投資、気候・エネルギー、デジタル技術および研究・イノベーションなどの分野において日・EU関係を促進する上で中心的な役割を果たしています。
日本における模擬EUに関するパケ大使のインタビューの全文は、こちらをご覧ください。
◇お問い合わせ先
クレアブ株式会社 高橋 茜